公共経営に関するビジネスリーダー養成の場として、毎月第4金曜日夜に年間セミナーを実施しています。
2024年度後期「地方自治の「これまで」と「これから」」
地方自治とは、文字どおり、地方(地域)のことは、その地域の住民が「自ら」の意思と責任によって「治める」ということです。この地方自治が憲法上保障されることになったのは、第二次世界大戦後、主権が国民に存することを宣言した日本国憲法が制定されてからのことです。ところが、日本国憲法から地方自治の内容の具体化を託された地方自治法は、明治憲法下で成立していた「市制」「町村制」という法律の改正の延長線上で制定されたため、明治憲法下の中央集権的な上意下達の思考や行政権の立法権に対する優位の思考などを色濃く残すものとなりました。「憲法変われど行政変わらず」といわれた所以です。ようやく日本国憲法の理念に立ち返ることができるように見えたのは、「明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革」と呼ばれた2000年地方分権改革でした。当時はわくわく感がありました。しかし、今日では、あの2000年改革は「どこに行ってしまったのか」という状況にあるように思えてなりません。
なぜ、こんなことになってしまったのか。これからの地方自治はどうなるのか。2024年度後期のイブニングスクールでは、こうした問い掛けをする機会を提供することにします。これからの地方自治のアクターとして、議会、首長、自治体職員にはどのようなことが求められるかについても、問い掛けることにします。
自治体、外郭団体の職員の方々、議員、NPO、企業職員、その他関心ある皆様のご参加をお待ちしています。
申込者数が定員に達したため、募集を終了いたしました。
- 定員/24名(先着順)
- 会場/滋賀大学大津サテライトプラザ(JR大津駅前 日本生命大津ビル4F)、オンライン(Zoom)
会場とZoomでのオンライン講義との併用で開催します。 - 受講料/3,000円 ※申込締切後、請求書を送付します。
講師
[主査] 提中 富和 (滋賀大学 産学公連携推進機構プロジェクトアドバイザー)
2014年3月大津市役所定年退職。在職中から、自治体政策法務の浸透・発展をライフワークとし、自治体職員研修に精励するとともに、自治体職員だけでなく研究者や法曹を交えた研究会活動を主導し、全国自治体の法務能力向上のために尽力している。主な著書として、『自治体法務の最前線-現場からはじめる分権自治-』(イマジン出版)、『政策法務事典』(ぎょうせい)、『自治体職員のための政策法務入門〔第1巻・総務課の巻〕―自治基本条例をつくることになったけれど―』(第一法規)、『自治体財務会計の基礎』(有斐閣)など多数。
[副査] 石井 良一 (滋賀大学 名誉教授)
開催スケジュール
[開催時間/18:20~20:00] ※日程、ゲストスピーカーは変更する可能性があります。
2024年10月25日(金)
「自治とは何か ~政治哲学から深く本気で考えたい~」
ゲストスピーカー:関西学院大学 名誉教授 岡本 仁宏 氏
2024年11月15日(金)
「地方分権改革の「これまで」と「これから」」
ゲストスピーカー:静岡産業大学 教授 小泉 祐一郎 氏
2024年12月20日(金)
「これからの自治体議会 ~政策立案と広報広聴の必要性~」
ゲストスピーカー:早稲田大学 マニフェスト研究所 招聘研究員 清水 克士 氏
「100条調査権の行使の限界について」
滋賀大学 産学公連携推進機構 プロジェクトアドバイザー 提中 富和 氏
2025年1月24日(金)
「首長はどうやって自治体を経営していくのか」
ゲストスピーカー:前湖南市長 谷畑 英吾 氏
2025年2月21日(金)
「まちを楽しくする仕事 ~これからの自治体職員の一例として~」
ゲストスピーカー:栗東市職員(NPO法人くらすむ滋賀 理事長) 竹山 和弘 氏
「自治体政策法務の取組と自治体職員」
滋賀大学 産学公連携推進機構 プロジェクトアドバイザー 提中 富和 氏
公開セミナー「滋賀大学公共経営イブニングスクールの22年:公共経営のいま」
2025年3月21日(金)18:20~20:00 開催予定(懇親会方式、別会場、会費制)
これまでのプログラム
- 官民連携での価値創造 -地方の課題に対応し民間の力を最大限に活用するために-(2024年度前期)
- 基本的人権の尊重と人権問題(2023年度後期)
- 関西におけるスタートアップ・エコシステム形成の期待 -滋賀県市町はどうコミットメントするか-(2023年度前期)
- 基本的人権の尊重をめぐる諸課題に向き合う(2022年度後期)
- カーボンニュートラルのリアル(2022年度前期)
- 議会制民主主義のあり方を改めて考える(2021年度後期)
- ニューノーマル時代のオリンピック、スポーツ健康まちづくりを考える(2021年度前期)
- 国の財政・自治体の財政は大丈夫なのか?(2020年度後期)
- 地方創生のビジネスデザイン(2020年度前期)
- 共生社会を支える住民組織やNPO法人活動の最前線(2019年度後期)
- AI自治体へのシフト(2019年度前期)
- 自治体改革の最前線(2018年度後期)
- 滋賀の観光イノベーションを考える(2018年度前期)
- 地域からの2020年教育改革を考える(2017年度)
- 地域分権社会の地方自治の論点―憲法改正を睨んで―(2016年度)
- 地域からの地方創生論―人材、資金を地方で使いこなすために―(2015年度)
- 自治体のエネルギー自立化戦略を考える(2014年度)
- 都市計画の疑問 -成熟社会の都市農村計画行政の視座-(2013年度)
- 福祉自治体の設計理念 -持続可能な自治体福祉政策を考える-(2012年度)
- アグリビジネス地域経営論 -農林業を興す-(2011年度)
- 今こそ!地方自治体歳入改革 -少子高齢社会における自主財源拡大策を考える-(2010年度)
- 国のかたち・自治体のすがた -道州制・県と市町の役割分担を考える-(2009年度)
- 市民ガバメントの設計 -市民が自治体経営に関わるために-(2008年度)
- 地域協働の視点で役所を変革する -自治基本条例を考える-(2007年度後期)
- 地域組織・地域事業を組成する -事業仕分け・地域事業組成から考える-(2007年度前期)
- 「事業仕分・地域事業組成」による地域経営改革 -地域事業をどうつくっていくか-(2006年度後期)
- 「事業仕分・地域活動組成」を考える -地方自治体のしごとはどうあるべきか-(2006年度前期)
- 事業革新のケースから学ぶ -プロフェッショナル公務員、地域リーダーをめざして-(2005年度)
- 事業革新の眼を鍛える -プロフェッショナル公務員をめざして-(2004年度)
- ニューパブリック・マネジメント・セミナー -事務事業評価から戦略予算システムへ-(2003年度後期)
- ニューパブリック・マネジメント・セミナー -市町村合併と新しい自治体経営-(2003年度前期)