滋賀大学は、2017年に日本初の本格的なデータサイエンス教育研究組織を立ち上げ、産学公の連携をこれまで以上に重視し、実社会の様々な課題解決に対する取り組みを実施してきております。
こうした流れの中で、データサイエンスの持つ力をさらに引き出すために、「データをサイエンスするだけでなく、アート(思考)する」というコンセプトのもとに、トヨタ・コニックアルファ社と2024年5月に包括連携協定を結び、アルスエレクトロニカ・フューチャーラボとともに、データ アート&サイエンスを活用した未来に向けた地域創生の取り組みを開始しました。
この取り組みを通じて、彦根を滋賀と世界を繋ぐゲートウェイとし、地域の豊かな未来を育むモデルを形成していきたいと考えています。
新学際領域「データ アート&サイエンス」とは
データサイエンスの本質的意義を追求すべく新たな学際領域を構想
膨大なデータを活用したデータサイエンス技術へのニーズが高まっています。我が国ではデータサイエンスの知識や技術を持つ人材がまだまだ不足していることから、近年は大学を中心に人材創出・育成に向け専門学部や学科が急増、民間企業も学術機関との共同研究や人材育成に関する連携を深めています。日本初のデータサイエンス学部を設置した滋賀大学においても、2017年からトヨタ自動車グループとデータサイエンス人材の育成に共同で取り組み、産学連携を図っています。
一方で、データを活用した分析や効率化の追求が進むも、社会そのものやビジネス課題の本質や実態を見抜いたり、未来を描きながらまったく新しい解決の糸口を見出す領域には十分踏み込めているとは言えません。そこで滋賀大学とトヨタ・コニック・アルファは世界的文化機関アルスエレクトロニカの研究開発部門「アルスエレクトロニカ・フューチャーラボ」と連携し、従来のデータサイエンスに「アート」を加えることでデータサイエンスの本質的意義を追求する、新たな学際領域を構想しました。
データサイエンスに「アート」の軸を加え、新たな発見を生み出す
先行きが不透明で、将来の予測が困難と言われる時代の中、「アート思考」が注目されています。今回のデータ アート&サイエンス構想のパートナーであるアルスエレクトロニカは、40年以上に渡り「アート」「テクノロジー」「社会」をキーワードに、アートやアーティストが社会にもたらす新しい視点や思考の重要性を提唱してきました。
アートは、気付きや驚きのある未来のビジョンを描き、「問い」を創り出す、未来により良い社会を形成するための触媒の役割を持ちます。アートを加えることで我々が進む方向を360度見渡し、そもそも「何のためか」という疑問を持ち続けることが可能になります。
我々は、データサイエンスに「アート」という軸を取り入れることで、視点を変え、発想を豊かにし、それにより新たな発見が生み出されていくと今回の学際領域「データ アート&サイエンス」では考えています。
推進機関
トヨタ・コニック・アルファ株式会社
トヨタ自動車(株)と(株)電通グループが共同出資して設立したトヨタ・コニック・ホールディングス(株)の子会社として設立。「データで、ありがとうをつくる仕事。」をミッションに掲げ、リテール領域のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進により、デジタルコミュニケーション分野の研究機関として、新たな「仕組み」と「ビジネス」の創造に取り組んでいる。
アルスエレクトロニカ・フューチャーラボ
オーストリアのリンツ市に拠点を置くメディアアートの文化機関アルスエレクトロニカの研究開発部門。1996年からアート、テクノロジー、社会についての研究開発を進め、人工知能、ロボット工学、メディア建築、インタラクティブ技術、新しい美学やスウォーム・インテリジェンスなど最先端領域に着目し、まだ見ぬ未来へのシナリオを実験的に具現化してきた。同ラボは、その最先端研究の成果を社会に向けて発信し、未来についての議論を深める活動を展開している。
これまでの取組み
- アルスエレクトロニカ・フェスティバルにて滋賀大学が取り組む「データ アート&サイエンス(DAS)」に関する展示を実施(2024年9月4日~8日)
- トヨタ・コニック・アルファ(株)と包括連携協定を締結 ―「データ アート&サイエンス(Data Art & Science)」で、未来に向けた地域づくりを推進―(2024年5月23日)
- データとアートで地域創生に取り組む「滋賀みらい構想会議」を開催(2024年3月29日)
メディア情報
- 新学際領域「データ アート&サイエンス」についての記事がビジネス誌『月刊事業構想』に掲載(2024年8月号)
- トヨタ・コニック・アルファ(株)と包括連携協定を締結 中日新聞に掲載(2024年5月24日年度)
お問い合わせ先
産学公連携推進課
E-mail:soc-coop[at]biwako.shiga-u.ac.jp
電子メールアドレスは[at]を@に変更してください。