大学院データサイエンス研究科博士後期課程のアドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)
データサイエンス研究科が目指すのは、統計学と情報学を基盤とするデータサイエンスを発展させ、社会の様々な課題を解決する学術研究者および高度専門職業人の輩出です。この研究科の教育目的を理解し、データサイエンスの理論と実践を意欲的に学修し、データサイエンスの新たな領域を開拓し発展させる意欲をもった学生を求めています。
博士後期課程は、学部・修士から博士にストレートに進学する「煙突型」の教育課程を想定している訳ではありません。学問領域としてのデータサイエンスの特徴を考慮すれば、高度な「棟梁レベル」の育成を目的とする博士課程としては、入学者として、あくまでも現場でのデータドリブンな経験を有している人材を想定しているからです。より具体的には、「いずれかの分野の修士号を有し、企業、自治体、研究機関等において、各領域分野でのデータ分析に関わる仕事に従事してきた経験を持ち、データサイエンスの修士レベル相当の専門性とスキルを持つ『独り立ちレベル』の者で、既存技術では解決できない課題に直面し、それを解決するための研究力を身につけたいと希望している者」です。企業等でデータ分析業務に従事する派遣社会人が修士課程を修了し、すぐに博士課程に進学することは想定されますが、データサイエンス学部または他大学・学部から本研究科博士前期課程に入学して修了する者は、いったんデータ分析に関わる仕事に従事し、その後に博士後期課程に戻ってきてほしいと考えています。ただし、データサイエンス領域で高度な専門性を持つ研究者や教員、実務家等を目指す場合には、博士前期課程から後期課程へのストレートな進学も推奨します。
なお、データサイエンス研究科における教育は本質的に学際的です。まず、データサイエンスの専門知識とスキルは理系的ですが、データサイエンスの対象である価値創造の場は理系的領域だけでなく、社会的・人文的な領域を多く含んでいます。そして、価値創造の鍵となるモデルの決定は、データサイエンスの力量と応用領域に関するしっかりとした知識の双方が必要となります。そのため、データサイエンスに関する修士相当の基礎学力とデータ分析の経験があれば、統計学や情報学だけでなく、データサイエンスに広く関連するいずれかの分野で修士号を有する者も受け入れます。
したがって、データサイエンス研究科博士後期課程のアドミッション・ポリシーを次のように定め、すべての項目を満たすことを求めます。
- データサイエンスの基盤となる統計学および情報学を含むデータサイエンスに関する高度な知識を持つ人
- 課題の発見、データ収集・前処理,モデルの決定・最適化計算、結果の解釈、そして意思決定につなげる一連の過程を自らのイニシアティブで実施し、価値創造に貢献してきた経験を持つ人
- データ利活用の現場で相互補完的な専門性を有する仲間と協力して、組織目標を達成するための核となった経験を持つ人
- データ利活用の社会的影響等を内省できる基礎的見識を備え、修了後の実務経験の中でデータに基づく意思決定に適切に反映できる人
- 既存技術では解決できない課題に直面し、それを解決するための研究力を身につける意欲を持つ人
なお、(ア)におけるデータサイエンスの基盤となる統計学および情報学を含むデータサイエンスに関する高度な知識とは、本研究科博士前期課程修了者に相当するレベルです。
このような人材を受け入れるために、研究計画書・実務経験書・審査用論文等により、(ア)から(エ)を満たしているかどうかをチェックし、面接によって、(オ)をチェックします。