7月28日(木)、第23回滋賀大学グローバルセミナー「滋賀の国際交流をお手伝いする人たちシリーズ第3弾―日本の外国人受入れ環境について感じること―」を対面とオンラインで開催しました。
シリーズ第3弾となる今回のセミナーでは、滋賀県国際交流員としてご尽力頂いているブラジル・リオデジャネイロ州出身のギマランイスさんに、日本に住んでいる外国人の方々からの様々な相談を受けて来られたご経験から、「日本の外国人の受入れ環境」についてお話いただきました。
まず初めに、誰でも外国人になり得ると話され、「日本以外全ての場所で皆さんは外国人となるのだから、自分が生まれ育った国を離れ異国で暮らすことに困難があることを想像し意識を向けることが大切だ」とおっしゃいました。
また、お話の中で最も強調されたのが、外国人の子供たちについてでした。親の仕事の影響で友達や親戚と突然別れて、日本へ来た子供たちの多くは日本語が話せないことが多く、特別な支援が必要だと話されました。来日する時期が、幼稚園くらいの年齢であれば日本語を学び、環境に打ち解けることができる可能性はありますが、年齢が上がるにつれてそれは難しくなり、外国籍高校生の退学率が高くなる要因のひとつだと話されました。
そういった問題に対処するために、日本語教室やブラジル人向けにポルトガル語を使い、ブラジルで行われている教育を実施する学校もありますが、経営は常に資金難であり、また生徒の進路はとても限られたものになり、父親と同じ会社で働く場合もあるそうです。
また、お話を聞いていて驚いたのが、日本でクレジットカードを作成する際に、名前が長すぎるという理由で断られてしまうという、想定外の困難に直面することもあるようで、まだまだ、日本は外国人の方を受入れる環境が整っていないことを痛感しました。
今回のセミナーでは、外国人の方から見た「日本の外国人の受入れ環境」についてお話を頂き、角度を変えた視点からの現実的なお話に、私たちは改めて「何ができるのか」と考える機会となりました。
~滋賀大学グローバルセミナー~
このセミナーでは、国際に関係した様々なトピックに関して学生同士が自由に話し合ったり、ゲストとの交流を通して学生自身の世界を拡げるきっかけを作りたいと考えています。扱うトピックは、異文化、留学、外国語、地球規模の話題(気候変動、Covid-19、政情不安、ヘイトクライム、国際情報リテラシーなど)など、国際に少しでも関することです。トピックやゲストスピーカーの希望があれば、ぜひメールを国際交流課までお寄せください。
【このページに関するお問い合わせ】
国際交流課