8月17日、杜氏の石田敬三氏(松瀬酒造)と小野善生教授(経済学部)のスペシャル対談を彦根キャンパスの士魂商才館セミナー室1で行いました。
これは、現在開催中の企画展「近江酒造家の情熱と行動力」の関連イベントとして実施されたもので、「日本酒の本質とは何かを常に考え“美味しい以上に大事なこと”を求めて生きたい」と熱く語る酒造りのスペシャリストである石田杜氏が、中小酒造業に注目しその経営者の変革行動について解明しようとしている小野教授と、酒造りのエピソードや業界のこれからなどについて話し合いました。
まずは小野教授が今回の企画展に関連して日本、そして滋賀県の酒造業の概略や酒造業者のブランド向上を目指した戦略などについて説明しました。その後、小野教授から石田氏に質問をする形で対談は進みました。
小野教授は「杜氏になるきっかけは?」「杜氏の1年のスケジュールは?」など石田杜氏のこれまでや今について質問を投げかけ、時には「オフの時は何をされていますか?」といったラフな質問で会場を盛り上げました。対談の中盤で「日本酒造りに対する思いを教えて」と小野教授に聞かれた石田杜氏は「目先の利益に囚われずに長いスパンでの成功を大切にしたい。奇抜なものをつくれば、もちろん目立つ。そして奇抜なものをつくるのは簡単。でも私はそうではなくて、地味だけど飲み続けると「あぁ、やっぱりしっかりしている」と思ってもらえるようなお酒を造っていきたい」と答え、参加者は石田杜氏の熱い思いに耳を傾けました。
最後には質問タイムも設けられました。「昨今の気候変動で変わったことはありますか?」との質問に、石田杜氏は「酒の原料となる植物の生育にもかなり影響が出ており、育てる品種自体を見直す時期に来ているのかもしれない」と、参加者の質問に対しても熱心に耳を傾けつつ答え、盛況のうちに対談は終了しました。
企画展「近江酒造家の情熱と行動力」は彦根キャンパス士魂商才館1階しがだい資料展示コーナーで12月23日まで開催中です。今回登壇した松瀬酒造の石田敬三杜氏へのインタビューについても展示されています。
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