5月23日、本学はトヨタ・コニック・アルファ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:山下義行氏、以下「トヨタ・コニック・アルファ」)と包括的連携協力に関する協定を締結しました。
トヨタ・コニック・アルファは、「データで、ありがとうをつくる仕事。」をミッションに掲げ、リテール領域のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進により、デジタルコミュニケーション分野の研究機関として、新たな「仕組み」と「ビジネス」の創造に取り組んでいます。
このたびの協定は、データサイエンス領域に、探求、思考などのアート的要素を組み込むことによって、より本質的な課題の理解や多角的な分析・解決につなげる新たな学際領域「データ アート&サイエンス(Data Art & Science 詳細後述)」の共同研究を行い、データ アート&サイエンスにより産学連携の取組を推進し、未来に向けた地域創生を図ることを目的としています。
9月には、オーストリアで開催される世界最大級のメディアアートフェスティバル「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」への出展を予定しており、この場を通じて、プロジェクトの進捗や未来の展望を広く発信し、データ アート&サイエンスがもたらす地域の未来像を示していきます。
新学際領域「データ アート&サイエンス」とは
[構想背景] データサイエンスの本質的意義を追求すべく新たな学際領域を構想
膨大なデータを活用したデータサイエンス技術へのニーズが高まっています。我が国ではデータサイエンスの知識や技術を持つ人材がまだまだ不足していることから、近年は大学を中心に人材創出・育成に向け専門学部や学科が急増、民間企業も学術機関との共同研究や人材育成に関する連携を深めています。日本初のデータサイエンス学部を設置した滋賀大学においても、2017年からトヨタ自動車グループとデータサイエンス人材の育成に共同で取り組み、産学連携を図っています。
一方で、データを活用した分析や効率化の追求が進むも、社会そのものやビジネス課題の本質や実態を見抜いたり、未来を描きながらまったく新しい解決の糸口を見出す領域には十分踏み込めているとは言えません。そこで滋賀大学とトヨタ・コニック・アルファは世界的文化機関アルスエレクトロニカの研究開発部門「アルスエレクトロニカ・フューチャーラボ」と連携し、従来のデータサイエンスに「アート」を加えることでデータサイエンスの本質的意義を追求する、新たな学際領域を構想しました。
[コンセプト] データサイエンスに「アート」の軸を加え、新たな発見を生み出す
先行きが不透明で、将来の予測が困難と言われる時代の中、「アート思考」が注目されています。今回のデータ アート&サイエンス構想のパートナーであるアルスエレクトロニカは、40年以上に渡り「アート」「テクノロジー」「社会」をキーワードに、アートやアーティストが社会にもたらす新しい視点や思考の重要性を提唱してきました。
アートは、気付きや驚きのある未来のビジョンを描き、「問い」を創り出す、未来により良い社会を形成するための触媒の役割を持ちます。アートを加えることで我々が進む方向を360度見渡し、そもそも「何のためか」という疑問を持ち続けることが可能になります。
我々は、データサイエンスに「アート」という軸を取り入れることで、視点を変え、発想を豊かにし、それにより新たな発見が生み出されていくと今回の学際領域「データ アート&サイエンス」では考えています。
【お問い合わせ先】
産学公連携推進課