2月1日(木)、第34回滋賀大学グローバルセミナー「人間の安全保障-支援の現場から-」を開催しました。今回で3回目のご登壇となる、元スーダン、ケニア大使(現:創価大学客員教授)の堀江良一氏を講師にお招きし、外交官として43年間務められた経験からお話をいただきました。
人間の安全保障の概念の誕生・進展、そして日本ができる支援とは、具体的にどのようなものなのか、そしてどうあるべきか。世界のどこかで起こっている紛争、貧困問題等々、何とかしなければとの起点から、政府開発援助(ODA)による支援、「誰一人取り残さない」という思いからのSDGsの国連採択、支援の形は様々であるが、やれることをする必要があるということ。また自身の外交官としてやってきた様々なことを多数の写真によりご紹介いただき、大変な苦労をされてきたことが伺い知れました。特に、世界的な新型コロナウイルスの蔓延により、現地の邦人を日本へ避難させるべく旅行会社と掛け合い、航空機をチャーターし無事避難したお話には、多くの参加者が感心していました。また、ケニアでの飲み水としての井戸掘り事業の推進、助産師の教育・技術向上を実現した教育機会の提供等々、堀江氏の「なんとかしなければ」との根底にある強い思いから活躍されてきたということが良く理解できました。
これらのお話を踏まえ、堀江氏から「学生のみなさんには、日本は平和な良い国だから心配すること等は何もないが、世界にはいろんな国がたくさんあります。その現実を見てください。それを見て何とかしなければならない、という強い思いを大切にし、小さなことでも良いので熱い思いで何かをするような人間になってください」とアドバイスをいただきました。
セミナーに参加した学生からは、「南アフリカのアパルトヘイト政策は、聞いていた話とは違うことがわかった。やはり現実を見るということが大切だと実感しました」「大使として赴任するには、先進国と途上国ではどちらが遣り甲斐がありますか?」「途上国へ赴任する場合、身の危険はなかったですか?」等々の質問が出され、堀江氏からはユーモアも交え、丁寧な回答をいただきました。学生たちは、モノの見方、世界の見方等を考えさせられる良い機会となったようでした。学生たちが、少しでも海外に目を向けてくれること、引いては海外渡航する学生が増えることを願っています。
滋賀大学グローバルセミナー
このセミナーでは、国際に関係した様々なトピックに関して学生同士が自由に話し合い、ゲストとの交流を通して学⽣⾃⾝の世界を拡げるきっかけを作りたいと考えています。 扱うトピックは、異⽂化、留学、外国語、地球規模の話題(気候変動、Covid-19、政情不安、ヘイトクライム、国際情報リテラシーなど)など、国際に少しでも関することです。
トピックやゲストスピーカーの希望があれば、ぜひ国際交流課までメールをお寄せください。
【お問い合わせ先】
国際交流課
E-mail:kokusai[at]biwako.shiga-u.ac.jp(※ [at] を@に変更してください)