2023/7/14
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滋賀大学における生成AIの利活用について(学生のみなさんへ)

学 長     

竹 村 彰 通

 

 昨今、ChatGPTをはじめとして、文章や画像等を生成する高度な技術を持つAI(生成AI)が急速に普及しています。生成AIを活用することは、利便性や生産性を向上させ、これからの時代の暮らしや社会の変容を導く可能性を秘めています。
 本学の学生は、以下について留意し、生成AIを適切に活用ください。

◆大学としての方針

 本学では、生成AIの使用について一律に禁止することはしません。むしろ生成AIを活用することを推奨します。生成AIの出力内容を批判的に分析し、上手に使いこなすことができれば、知的欲求や能力を高め、教育・研究活動を飛躍的に向上させることも可能です。生成AIを禁止するのではなく、生成AIを活用するリテラシーを学生全員が身に付け、積極的かつ適切に活用できるようになることが重要だと考えます。
 一方、使い方を誤ると、学修活動を妨げ、他者の権利を侵害することにもなりかねません。「滋賀大学数理・データサイエンス・AI教育プログラム」の履修などを通じ、学生全員がAIに関する正しい知識及び技術を身に付け、AIの扱い方や活用法、問題点について日々考えて行動してください。

◆生成AIの不正確性

 生成AIの出力内容には不正確な情報や矛盾する情報も含まれます。生成AIは正しいとは限らない大量の情報に基づいて確率的にもっともらしい情報を作ります。このため、全くのでたらめにもかかわらず、さも正しい知識であるかのような出力がなされることもあります。また、差別や偏見が含まれる場合もあります。生成AIの出力内容を鵜呑みにして利用することはあってはなりません。正しい内容なのか、誤った内容なのか、検索エンジンを利用する時と同様に裏付けをしっかりと取り、自身で確認することが重要です。常に出力内容を批判的に分析するように心がけてください。

◆著作権・情報漏洩

 未発表の研究成果や秘密にすべき情報(機密情報、個人情報やプライバシー情報等)を生成AIに入力してしまうと、入力内容が生成AIに学習され、それらの情報が意図せず流出・漏洩してしまう可能性があります。生成AIに限らず、AIツールの生成物には他者の著作物に類似した文章等を出力する場合があり、著作権や意匠権上の問題が存在する可能性が示唆されています。生成AIの使用にあたっては、著作権等の権利関係の遵守、情報漏洩のリスク、プライバシー保護といった点に十分に配慮してください。

◆授業での利⽤

 大学として使用を一律に禁止することはしませんが、授業やゼミによっては、その特性に応じて生成AIの利用を制限する場合があります。例えば、レポート・課題などで独創的なアイデアが求められる際や、音楽・芸術などの創作活動の際などで制限することも考えられます。各授業や研究活動における生成AIツール利用の可否については、授業担当教員や指導教員の指示に従ってください。

◆生成AIの使い方

 論点整理や、情報収集、文書校正など、大学での学びの補助・支援としての活用が考えられます。生成AIへの指示文を工夫することで、よりイメージに近い出力結果とすることもできます。どのように生成AIを扱えばよいか、どういった場面では使えないか、自身で考えてみてください。
 大学での学びは、知識を生み出す過程を通して思考能力を高めることを目指すものです。そのため、考える主体が学生の皆さん自身であることに何ら変わりはありません。生成AIはあくまでも学生の皆さんの成長を助ける道具の一つです。生成AIをツールとして使いこなすことを意識してください。

◆不正行為

 レポートや課題、学位論文等を作成する際には、引用元や参考とした資料など、根拠となった出典を明記した上で、自分なりの考えを記載することが求められます。生成AIで文章を生成し、そのまま課題への回答としてしまうのではなく、個々人のアイデアや独創性を保つことを意識してください。もしも、生成AIの出力内容を書き写したことが確認された場合、盗用や剽窃とみなし、不正行為と判断することがあります。各学部・研究科の取り決めに従い、不正行為については厳格な対応を行います。

  AIツールは常に進化しており、利用の際の注意事項も変更される可能性があります。
 ここで述べた内容は、あくまで現在での状況をもとに記載したものであり、今後適宜更新する予定です。

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